rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年12月12日 論説「党決定の完璧な執行によって党と革命に対する忠実性の検証を受けよう」

 

 標記論説は、「党決定の完璧な執行」を督励するものである。

 まず、「我々が手を挙げて賛成した党決定の1条項1条項には、非常な重みがこめられている。党決定は、紙の上の文字の列ではなく、党の前に固めた誓い、人民の前に固めた誓いである」ことを強調した上で、それを「完璧に貫徹すること」の意義として、①「我が党の絶対的な権威を擁護保衛するための重要な事業」、②「次の段階の巨大な闘争を連続的に展開していくための必須的要求」、③「我が国家の無尽強力な発展潜在力を力強く誇示する重要な事業」であると主張している。

 このうち、①については、「党決定は形式的にではなく完全無欠に執行しなければならない。結束段階に入ったからと言って緊張を緩めて党決定を顕著に実質的に執行できなければ、それは、党的良心をだますことと同じである」と最後まで全力を尽くすことを求めている。また、②に関しては、「来年は偉大な首領様(金日成)の誕生110周年と偉大な将軍様金正日)の誕生80周年にあたる意義深い年である」ことを指摘している。③については、「我々の前進を妨げようとする敵対勢力の封鎖策動」への対抗の意味が込められているようである。

 こうした議論を踏まえて最後に、「党決定の完璧な執行」を実現するためには、「幹部の役割が極めて重要である」ことを強調し、「分担は具体的に、作戦は緻密に、思想動員事業は迫力を持って推進する幹部」を見習うよう訴えている。

 同論説が狙いとするのは、結局のところ、5か年計画の初年度である今年度目標の完遂といえるが、それをより端的に訴えているのが本日掲載の別の評論「党員は今年の戦闘の勝利的結束のため最大の奮発力を発揮しよう」である。

 同評論は、「今年の戦闘の決勝線(ゴール)が目前にある。最後の直線走路において残された力を尽くして走るマラソン選手のように現在の1日1日に爆発的な力を発揮して今年の戦闘の決勝テープを切らなければならない」と訴えている。これが本音であろう。