rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

8月19日 論説「洪水被害復旧において堅持すべき原則的問題」

 

 標記論説は、金正恩の被災地視察時の指示や13日の政治局決定などを踏まえつつ、「洪水被害復旧事業と関連した我が党の意図」として、①「この事業を最大の重大事として打ち立て総力を傾けなければならないということ」、②「幹部が人民の不幸を癒してやる事業を自らの肩の上におき、真心を尽くして責任的に遂行しなければならないということ」、③「この事業を最上の水準で完璧に行い、人民により大きな幸福を抱かせようということ」を掲げている。このうち、②に関しては、「幹部の人民に対する服務観点が検証される契機ということができる」ともしている。

 全体として、被害復旧に際しての具体的原則というよりは、「党」すなわち金正恩の恩情の深さを強調し、幹部らがその意を体して作業に当たるよう訴えたものといえよう。

 なお、同論説は、「党中央委員会政治局決定を高く奉じ洪水被害復旧事業を力強く推し進めよう」との共通題目の下で、「軍民協同作戦で果敢な突撃戦を展開し」「必要な物動輸送に拍車を 鉄道運輸部門において」などと題し各地・各部門の取組みを紹介する7件の記事とともに掲載されたものである。

 また、本日の「労働新聞」は、朴奉柱党副委員長及び就任したばかりの金徳訓総理が、それぞれ江原道、黄海北道の被災地域の復旧状況を現地了解したことを報じており、上記の論説。記事などとも合わせて、洪水被害復旧に総力を結集していることを印象付けている。

 ただし、そのような中でも、コロナ防疫対策に関しては、引き続き一連の記事を掲載し、緊張の持続を呼びかけている。