rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年11月10日 論説「敬愛する総秘書同志の絶対的な権威は我が人民の自負心であり栄光である」

 

 標記社説は、「金正恩の絶対的な権威」をキータームとして、同人への忠誠とその指示の実践を訴えるものである。

 まず、金正恩の「絶対的な権威」の根拠として、「思想理論と実践力が一つに結合した政治、経済、軍事、文化などすべての分野の事業を滞りなく巧みに指導することのできる文字通りの万能の政治指導者」であることを挙げ、「(そのような)金正恩同志を首領として高く奉じることは、我が人民が受けた最上最大の特典であり、大幸運である」と主張する。

 更に、同人の「絶対的な権威」の内容に関し、①「千里慧眼の英知により時代と革命の前途を明らかにして下さる天才的な思想理論家の権威」、②「精力的な実践活動による富強強国の新時代を開く卓越した領導者としての権威」、③「熱い愛と信頼により人民を胸に抱き守ってくれる偉大な人間、慈愛深い親としての権威」という三つの側面から敷衍している。

 また、そのような「偉大な権威」の効果・作用として、まず、「我が人民が強国の強国人民の尊厳と威容を轟かせる根本源泉である」と主張する。なぜなら、「偉大な首領を奉じた人民が真正な強国の公民である」からである。

  次に、「我が人民が光明な未来に向かって勇気百倍、信念高く進むようにする原動力である」と主張する。その結果については、「総秘書同志の絶対的な権威により・・人類が理想とする世紀を超えて宿望してきた共産主義社会に誰よりも先に立ち入ることになるであろう」とまで予言している。

 論説は、そうした議論を展開した上で、最後に「(現在直面する困難な)課題を成果的に遂行するための決定的担保は、敬愛する総秘書同志の絶対的な権威を固く擁衛保衛するところにある」と主張し、「敬愛する総秘書同志のほかには誰も知らないとの確固たる信念を堅持すること」であり、「党中央の権威と威信を絶対化し、党中央の指示を無条件に接受、執行する強い革命的気風を体質化する」ことなどを訴えている。

 結局のところ、同論説もまた、8日付けの政論と同様、金正恩への帰依をあらゆる問題解決の鍵として訴えるものといえる。端的に言えば、「信じる者は救われる」ということであろう。