rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年9月20日 社説「偉大な首領の革命戦士となった矜持と自負心を堅持して新たな勝利に向け力強く進もう」

 

 標記社説は、久々に金正恩を「首領」と明言しているので、改めて骨子を紹介しておきたい。

 社説は、まず、前段で「思想と領導、風貌において誰も追随できない現時代の最も傑出した首領であられる敬愛する総秘書同志」に対する朝鮮人民の欽慕の情を主張した上で、同人の偉大性について、①「天才的な思想理論的叡智によって時代と革命の前途を輝かしく照らし出してくださる偉大な嚮導者」、②「卓越した領導力で社会主義建設のすべての戦線において目覚ましい変革を起こしていかれる創造の巨匠」、③「火のような愛と情で人民を抱き面倒見て下さる慈愛深い親」と表現している。

 後段では、そのような「首領の革命戦士」の義務として、①「敬愛する金正恩同志の偉大性を心臓により深く体得」、②「我が国家の政治思想的威力をくまなく強化」、③「党第8回大会の課題貫徹」、④「幹部は敬愛する総秘書同志の思想と領導を奉ずる上で大衆の見本。鏡となる」、ことなどをあげている。なお、ここで②は、具体的には「総秘書同志にしたがって革命することを最大の特典、最上の栄光とみなし、総秘書同志の周囲により固く団結」することを意味する。また、③については、「首領の革命戦士となった矜持と自負心は、首領の構想と決心を現実に花咲かせるための実践闘争へとつながらなければならない」と主張している。

 特段目新しい内容はないが、逆に、なぜ今、このような主張を繰り返すのかといえば、金正恩の「偉大性」に対する人民の「信念化」がまだ不十分であるとの認識があるのであろう。