2023年8月3日 7月の人民経済計画状況を報道
本日の「労働新聞」は、表記に関し、「党中央委員会決定貫徹のための闘争気勢一層高潮 人民経済諸部門と単位で意義深い7月計画輝かしく完遂」と題する記事を掲載した。
同記事は、いつもと同様、冒頭では、「全国の数多くの工場、企業所が7月人民経済計画を完遂した」と記しているが(表題の「部門」は既にここで脱落!)、各部門の状況を紹介する中では、計画完遂を明示された企業所・工場は、ごく一部に限られる。また、全体として計画完遂を明示された部門もない。
各部門に関する主な記述は、次のとおりである(傘下単位は、「計画完遂」明記されたもののみ記載)。
- 金属工業部門:「7月人民経済計画において顕著な成果を収めた」
- 化学工業部門:「非常な奮発力と果敢な実践力を発揮した」
- 電力工業部門:「職場ごとに革新を創造した」
- 石炭工業部門:「増産闘争を果敢に展開した」
- 鉄道運輸部門:「増送の汽笛の音を高く轟かせた。・・諸鉄道局が7月輸送計画を遂行した」
- 機械工業部門:「前進速度を高めた」
- 建材工業部門:「より多くの建材品を生産するため奮闘した」
- 軽工業部門:「設備を現代化し、生産を正常化するための事業を立体的に展開し成果を収めた」
同記事を通じて頻出しているのは、むしろ、「生産を正常化」という表現であり、計画完遂委云々よりも、生産設備などを継続的に稼働させることが喫緊の課題となっていることがうかがわれる。
厳しい経済制裁が続く中、北朝鮮経済の実際的課題(目標)は、各生産単位の稼働を円満に保障するとともに、関連企業間の連携を適切に調整することによって、生産活動が縮小スパイラルに陥らないようにする(ないしは、そこから脱する)ことにあるのではないだろうか。