rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年12月17日 中国との外交部門間会談の実施を報道

 

 本日の「労働新聞」は、北朝鮮外務省代表団団長として訪中中の外務省副相・朴明浩(音訳)と中国外交部副部長・孫威東(同)が12月15日、北京において会談したことを報じる朝鮮中央通信の記事を掲載した。

 同記事は、会談の内容について、「双方は、朝中外交関係設定75周年となる2024年に双務関係を強化発展させていくことについてと共同の関心事となる問題(複数)について、意見を交換し、今後、朝中両国間の戦略的協調を強化することについての問題(複数)を討議した」とだけ伝え、それ以上の記載は一切ない簡略なものとなっている。

 韓国報道の解説によると、北朝鮮外交部門高官の訪中は、コロナによる国境閉鎖以来の由であり、その意味で、両国間の外交的往来「再開」の意義はあるのかもしれない。

 ただ、会談の中身についての表現が「意見交換」とか「討論」にとどまり、「意見の一致」は示されておらず、会談の雰囲気に関しても、「同志的」とか「親善的」と言った恒例的な表現がまったくないことには違和感を覚える。

 最近の「対ロ接近」が背景にあるのかは定かでないが、何か隙間風的なものを感じざるを得ない。中朝関係においては、外務省・外交部ではなく、党国際部門間の交流が重要といわれるので、これだけを見て断定的なことを言うのは避けるべきかもしれないが、そうであれば、党国際部門間の往来がいまだ再開されていないことの方が問題かもしれない。