rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

10月16日 金正恩白頭山で考えた「作戦」とは?

 金正恩委員長が白頭山頂に白馬で登ったとの記事が、ナポレオンのアルプス越えを彷彿させる金正恩の乗馬姿を写した写真(金正恩と馬だけが写っている。同行幹部の姿なし)とともに掲載された。

 このような報道ぶりも異例であるが、更に注目されるのは、記事中の次の部分。

 「同行した幹部すべては、敬愛する最高司令官同志が白頭霊峰において過ごされた思索の瞬間を目撃し、再び世の中が驚き我が革命が一歩前進する雄大な作戦が繰り広げられるであろうとの確信を抱き、湧き立つ感激と歓喜をおさえられなかった。」

 過去にも、金正恩は、叔父・張成沢の粛清や米韓との対話路線などの重大決意に先立ち白頭山に上ったとされる。上記の記事内容は、それを踏まえてのものと考えられるが、敢えて、何らかの「作戦」の決定を示唆する狙いはなんなのか、そして、その「作戦」の内容は何か?大いに注目されるところである。

 韓国の報道機関などは、先の米朝実務協議の「決裂」発表や、同日の別の報道で金正恩が米国の圧迫を強く非難したことなどと絡めて、「核開発」路線への復帰などを想定しているようであるが、果たしてどうだろうか。

 例えば新たな動員運動の開始とかの国内的な施策が打ち出される可能性も否定できないのではないだろうか。「革命が一歩前進」との文言からもそれがうかがえる。そして、その背景には、前項記事で推測した国内の「困った」状況があるのではないだろうか。