rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

12月19日 評論「革命家の心臓はいつでも革命熱で燃えていなければならない」

 

 幹部の心構えを説いたもの。特段新奇な内容を含むものではないが、逆説的に幹部の問題点を示唆しているとも解されるので紹介したい。

 評論は、まず、「幹部の革命熱、これはすべての事業においいて立派な成果を収めるようにする重要なカギである」として「革命熱」の重要性を述べる。

 次に、「白頭の革命精神、白頭の剣風精神は、偉大な首領に従って革命の一路において自身のすべてを皆捧げて戦ってきた抗日革命闘士の崇高な魂を抱いているために、革命家たちに燃える革命熱、闘争熱を抱かせてくれる貴重な活力素として、永遠の生命力を持つ」として、「抗日革命闘士」を「革命熱」の模範とすべきことを訴える。

 その上で、「革命熱」の要素として、第一に「革命に対する忠実性」を挙げ、それを「革命の指揮メンバーとなる前提条件であると同時に幹部を評価する唯一の尺度」とする。

 第二に挙げられるのは、「仕事欲」であり、これも「幹部において必須の気質」とされる。「仕事欲」とは、自ら積極的に目標を掲げ、その実現に向け取り組もうとする意欲といった意味と解される。

 第三に挙げられるのは、「革命のために自分のすべてを皆捧げる犠牲精神」である。その意味するところは、「個人の安楽と幸福のためにではなく、革命のために自らを犠牲にすることを栄誉、やりがいとみなす」ことであり、それを欠いた場合には、「人が自分だけ良く食べ良く生きようとして、私生活に度を超えて頭を使うようになると徐々に革命事業に無関心になり、革命的熱情が醒めて、結局革命家としての自覚を失うに至る」と警告する。

 その上で、「今日、させられた仕事でもして、現状維持をしている幹部が存在する場所などない」として、幹部の消極性、守旧性を強く戒めている。

 以上のような評論の主張は、自らの利害・保身ばかりを重視し、命じられたことしかしようとしない消極的・守旧的な幹部らを、抗日パルチザン兵士が戦った現地に送り込み、その自己犠牲精神を見習わせ再鍛錬することが、「白頭山革命戦跡地踏査行軍」の狙いであるということを改めて示すものといえる。

 金正恩が踏査活動の強化を指示した際、「まず革命の指揮メンバーが白頭山大学を出なければならない」旨語ったのも、まさにそのような趣旨であろう。