rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2月21日 評論「職業に対する愛着と愛国心

 

 ここでいう「職業」というのは、自分の仕事、職場で与えられた役割といった意味をあらわす。それを日々、誠心誠意しっかりとまっとうしていくことこそが「愛国」の道であるとの主張である。

 評論は、次のようにいう。「愛国主義は、特に自分の職業を愛し、受け持った仕事を責任を持ってしっかりと行うことに集中的に発現されなければならない。祖国の前に特出した偉勲を立てた人も愛国者であるが、誰が知ろうと知るまいと自分の哨所、自分の職場を黙々と守りつつ、汚れない良心を捧げていく人も愛国者である。・・・自分の職業を愛し、受け持った仕事を責任を持って行うここに真の愛国がある」

 そして、皆がそのような意味での「愛国主義」を発揮することが国家発展の前提となることを次のように主張する。

 「我が人民が誰でもこの高貴な哲理によって心臓を脈打たせるとき、自力富強、自力繁栄の旗幟を高く掲げ社会主義建設の新たな進撃路を開いていく今日の正面突破戦においてより大きな革新が創造されるであろう」

 北朝鮮には、「金正日愛国主義」という言葉があって、思想教養上の重要な柱とされているのだが、これまでその意味がよく分からなかった。用法としては、経済分野などで、仕事をしっかりやろうといった趣旨で使われていたように思う。しかし、「愛国主義」を以上のような意味でとらえ、各人がそれぞれの持ち場で全力を尽くすことを推奨する概念と考えると、合点がいくように思える。では、「愛国主義」になぜ「金正日」が冠されるのかといえば、彼は最高領導者としての仕事を責任感を持って立派にまっとうした、我々もそれに習って、各自の責務をまっとうしよう、との趣旨ではないだろうか。