rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2月22日 評論「山林復旧事業における実績は忠実性の高さ、愛国の熱度を示してくれるー山林復旧戦闘2段階課題遂行のための昨年の闘争過程をみて」(2月23日記)

 

 本ブログ1月22日記事で紹介した「山林復旧及び国土環境保護部門イルクン会議」(1月21日開催)において示された各地の山林復旧事業の成果について、優れた成果を上げた地域(群)及び劣っている地域を具体的に指摘した上で、幹部の取組み姿勢こそがそれを左右する最重要要素であることを主張する内容。山林復旧事業がいかに実践されているか(いないか)についても興味深い記述があるが、ここでは、幹部の姿勢に関する主張に絞って紹介する。

 同評論は、成果を上げた地域には、「自分の事業の全過程を責任性で一貫し、すべての仕事を今日と明日を共に担保できるよう作戦し実践していく幹部たちがいる」とする一方、不振地域では、「山林復旧事業を負担とみなし、(上部から指示されるので)やむなく行う現象が根絶されずにいる」と批判している。

 そして、そのような消極的取組みの原因について、「責任幹部たちが言葉でだけ山林復旧事業の重要性について騒ぎ立て、その実践のための全力を尽くさなかった」ことにあると幹部の姿勢に焦点をあてる。更に、「党と首領に対する忠実性は言葉によってではなく、託された仕事を主人らしく行うことに現れなければならない」として、執務姿勢と忠実性問題を結び付け、「山林復旧事業実績の差異は、幹部の資質と要求性、執行力と掌握力における差異であると同時に忠実性の高さ、愛国の熱度を示す尺度である」と結論付けている。

 このような考え方によれば、職務上で満足すべき成果を出すことができない幹部は、実務能力の欠如のみならず、愛国心、忠誠心も欠如しているとみなされることになる。昨日の「愛国主義」に関する本ブログでも、仕事に対する誠実な取り組みを「愛国」と結び付ける主張を紹介したばかりであるが、本評論の発想も、それと同一線上にあるものといえよう。そこまで言わないと、真摯な取り組みが期待できないということであろうか。