rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

4月20日 「金日成金正日主義」

 

 標記記事は、「2012年4月6日、敬愛する元帥様(金正恩)は、朝鮮労働党中央委員会責任幹部達とされた談話『偉大な金正日同志を我が党の永遠の総秘書として高くいただき主体革命偉業を輝かしく完成させていこう』において、偉大な首領様と偉大な将軍様の革命思想を金日成金正日主義として定式化され、全社会の金日成金正日主義化を我が党の最高綱領として宣布された」と説明している。

 また、同人が金日成金正日主義に関し、「第4回細胞秘書大会で行われた歴史的結論において金日成金正日主義は本質において人民大衆第一主義である」と明らかにし、更に、「人民大衆第一主義は人民大衆をこの世界で第一に貴重で力強い存在として打ち立て、すべてのものが人民大衆のために滅私服務するようにする思想である」と位置付けたと主張する。

 なお、「金正恩著作集」(白峰社)には、「第4回細胞書記大会で行った演説」(2013年1月29日)が掲載されている。それが上記記事中の「結論」を指すのかは明らかでないが、そこには同旨の発言が収められている。

 記事は、その上で「人民大衆第一主義」を敷衍して、「人民大衆をこの世で最も力強く知恵のある存在として打ち立て、すべての問題を人民大衆に依拠して解決していくことを要求する思想である」と述べ、更に、金正恩がそれらの著述を通じて、「人民大衆の無窮無尽の力と知恵を発動するなら、いかなる難しい革命課題も成果的にやり遂げることができるということを科学的に明らかにした」と主張している。

 同記事の狙いは、前段の「金日成金正日主義」よりも、むしろ、後段の「人民大衆第一主義」、とりわけ、その「人民の持つ力」に関する考え方を主張することにあるように思われる。それは、「人民の無窮無尽の力と知恵を発動」させることが「正面突破戦」を成功させる鍵であるとの北朝鮮指導部の考え方を反映しているのであろう。言うまでもないが、この記事は、単に過去の事績を称賛するものではなく、すぐれて今日的要請に応えるものといえよう。