rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

7月22日 論説「党政策の精髄を正確に把握することが基本である」

 

 標記論説は、冒頭、「党政策の精髄」について「党政策に込められた党の意図、要求を意味する」と説明(ここで「党」は、金正恩を指すと考えられる)した上で、「党政策の精髄を正確に把握すること」の意義・重要性について、次のように強調している。

 まず、「党政策の正当性と生活力が高く発揮されるようにするための先決条件である」ことである。すなわち、「党政策貫徹において、無条件性の精神を発揮するということは、決していかなる研究もなく、機械的に党政策に接し執行することを意味するものではない」のであり、仮にそのような姿勢で取り組めば、「形式主義が現れることとなり、党が望む結果が相当な水準で実現できなくなったり、甚だしくは党政策が歪曲して執行されたりすることもありうる」と戒めている。

 次に掲げるのは、「すべての部門、すべての単位の事業において根本的な改善をもたらすための基本要求である」ことである。それが意味するのは、「自分の部門、自分の単位に提示された党政策の精髄を把握すれば、事業において飛躍的革新を起こすことのできる中心問題、主打撃方向を正しく定めることができ、優先順位を正しく弁別し、力量編制と任務分担を正確に行うことができる」という主張である。その実例として挙げるのが「これまで、江原道の幹部と人民は、偉大な首領様と偉大な将軍様の遺訓、党政策を深く研究したところに基づき、自力更生、自給自足を道の全般事業を打ち立てるための宝剣として堅持し」てきたことで、その結果、同道では多大な成果を上げることができたとしている。

 論説は、最後に「すべての幹部と党員と勤労者は、党の路線と方針が提示されれば、その精髄を正確に把握し事業することを体質化、生活化、習慣化する」ことを呼びかけている。

 以上のような論説の趣旨は、20日に報じられた金正恩平壌総合病院建設場現地指導に際しての「連合常務」(=建設指揮部)に対する批判を反映したものと考えられる。そこで、金正恩は、同病院建設に関し、人民に「支援事業」の名目で負担を強いていることを批判し、それを「党の崇高な意図」に反し、「党の権威」を汚すものときめつけた。上掲論説の趣旨に即せば、まさにそのような「連合常務」の行動は、「党の政策の精粋」を正しく把握できず、「機械的に執行」したがための誤謬ということになろう。それを「一罰百戒」として今後の「党政策貫徹」を正しく行うよう求めたのが本論説であろう。