rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

9月25日 評論「指導と総括を強化することは党会議決定貫徹において提起される重要な要求」

 

 韓国人射殺事件をめぐり金正恩が謝罪とのビッグニュースが流れる中、時節と関係のないテーマで恐縮です。それについてのコメントは、もう少し事態の推移を見た上で整理したいと考えています。

 

 標記評論は、まず、「我が党は、革命と建設において提起される重要な政策的問題を党会議において集体的に討議決定し示達している」として、「党会議決定」の重要性を強調した上で、党活動における「指導と総括」の狙いなどについて、論じたものである。

 そこで第一にあげられているのは、「党の決定と指示を党が望む高さにおいて、党が定めた時間に正確に貫徹する」ことである。そのためには、「(党決定などに対する)一般的な理解、一二回の強調だけでは不足」であり、「指導幹部が常に大衆の中に入って我が党が今日、なぜこのような決定、指示を採択示達したか、その貫徹が社会主義建設と我々自身と後代達においていかに重要な意義を持つかを現実に立脚して積極的に解説宣伝し、闘争過程をしっかりと掌握統制し、現れる偏向をその都度正してやってこそ、大衆が党の決定貫徹を死活的要求として受け止め決死の意志を発揮していくことができる」というのがその理由である。ここに書かれていることがまさに「指導、総括」の本旨であろう。更に言えば、金正恩が会議の場において目指していることでもあるように感じる。

 第二にあげられるのは、「党会議決定をどれ一つ逃すことなく最後まで貫徹する」ことである。それが意味するのは、「今日、党会議決定を貫徹する上で最も警戒すべきこと」とされる「5分熱度式(三日坊主的の意)事業態度、安逸性と解弛性、緩慢性」などを払拭することであろう。とりわけ、最近のように各種党会議が頻繁に開かれ、その都度、緊急・重大とされる膨大あるいは野心的な目標が次々に提起されている状況において、この項目は、大きな意味を持つと考えられる。

 評論は、最後に「(そのような)指導と総括は、幹部の実力が高くてこそ、正しく行うことができる」として、幹部に資質向上に包めるべきことも求めている。

 このような評論内容は、北朝鮮において最近、会議が頻繁に開催される狙いの一つが、金正恩の意向を「会議決定」の形で制度化し、その権威付けを図るととともに、会議での討議・決定にはじまって、下部単位での「決定」接受から執行計画作成、政治事業(種子解説などの思想教育)、任務分担、遂行状況監督、累次の総括作業、執行計画の修正・実行などの過程を通じて、その「貫徹」すなわち完全なる実現を目指すところにあることをうかがわせるものといえよう。同評論は、そのような過程を「指導・総括」という言葉で表現したものと考えられる。