rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

8月13日 被災地住民の金正恩あて感謝の手紙を公開

 

 本日の「労働新聞」は、「我が人民の慈愛深い親である敬愛する金正恩元帥様に謹んで捧げます」との題目の下、金正恩が6,7日と2回にわたり視察し、その際の指示に基づき、「国務委員長予備糧穀」(9日)、党中央委員会部署からの救援物資(10日)の送付を受けた銀波郡大清里の住民が金正恩あてに送付したとされる感謝の手紙(11日付け)を掲載している。

 加えて、「ただ人民だけしか知らない我々の実の親 敬愛する元帥様に謹んで捧げた手紙にみな書ききれなった話」と題する記事まで掲載して、同地住民の金正恩の恩情に対する感動の大きさを強調している。

 一方、上記の記事以外に洪水対策ないし復旧に関する記事は掲載されていない。大雨の影響は、銀波郡にとどまらず各地に生じているはずだし、また、今日ぐらいから更なる大雨の予報も出ているようだが、それへの対応を訴えるよりも、金正恩の「恩情」のアピールがより重要なようである。

 金正恩が被災地を視察して様々な救援措置を具体的に指示したことを報じることによって、同人の人民に対する「恩情」や「配慮」をアピールするのは分からないではないが、ここまで執拗にそれを強調するのは、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」の感を禁じ得ない。そこまでしなければならないほど、人心掌握の必要性に迫られているということなのであろうか。

 余談だが、昨日の本ブログで触れた銀波郡への救援物資を運んだ青色大型トラックについては、水につかった道路を走行する様子が報じられており(聯合通信にニュース映像のキャプチャー写真掲載)、これが「水陸両用車」と称されるものであったようだ。