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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

11月8日 論説「我が党を不敗の革命的党として強化発展させられた偉大な業績」

 

 標記論説は、金正恩の党建設における功績を論じたものである。すなわち、「我が党を不敗の嚮導的力量でより強化発展」させるという「重大な課題は、特出した政治実力を帯びられた敬愛する最高領導者同志によって輝かしく解決された」とした上で、その「不滅の党建設業績」を4つの側面から説明している。

 第一は、「我が党を思想的純潔体としてより強化発展」させたことである。具体的には「すべての党員を偉大な金日成金正日主義精粋分子として育てるための思想教養事業」を通じて、「全党が領導者の思想意志のとおりにだけ思考し行動する」ようにしたと主張している。

 第二は、「我が党を組織的全一体として強固に固めた」ことである。これは、「党内に整然とした事業体系と刃のような紀綱を徹底して確立」したことを意味する。「現代版宗派分子を断固として摘発粛清」したこともそこに含まれる。いうまでもなく、張成沢らを指しているのであろう。

 第三は、「我が党を行動の統一体としてしっかり整備」したことである。具体的には、「重要党会議を招集して民主主義と創発性を充分に発揚させ、路線上問題、醸成された情勢と関連した対策的問題を集団的に討議決定するようにし、党会議決定に対する全党的な接受討議事業が思想動員過程、作戦過程、任務分担過程になるように精力的に導いて下さった」結果、「全党に自覚的に規律と秩序を確立し行動の統一を高い水準で実現」され、「今日、我々のすべての党組織は、党中央の唯一的領導の下に一体となって動く」ようになったと主張している。

 第四は、「我が党の大衆的地盤を固めた」ことである。その意味は、「人民に対する滅私服務を我が党の唯一の存在方式として、革命的党風として徹底して確立」することによって、「人民は党を運命の灯台として、母として信じ付き従っている」ことである。

 以上の四つの成果について、金正恩執権以来の経緯に即して見ると、前段の2つは、どちらかといえばその前期に取り組まれた課題であり、後半の2つは、現在進行形で取り組んでいる課題のような印象を受ける。

 論説は、以上のような主張に加えて、「革命的党が備えた領導力と戦闘力は、党の領導の下に常勝長躯している社会主義国家の姿を通じてはっきりと立証されている」として、「我が共和国」の特徴として次のような点をあげる。

 第一は、「資本主義が持つことも真似ることもできない一心団結の威力を原動力として、常勝長躯する国である」ことである。

 第二は、「強力な戦争抑制力を備えた世界的な軍事強国である」ことである。ここでは、「いかなる軍事的脅威も充分に統制管理できる我々の強力な力」(この表現は、金正恩の閲兵式演説で使われたもの)が強調されている。

 第三は、「自立的民族経済を基盤として経済建設を推進している自力経済の国である」ことである。ここで注目されるのは、前項と異なり、「経済強国」との表現は用いられず、経済建設を現在進行形で述べていることである。これは、それが残された課題であることを認めたものともいえよう。