rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

12月7日 「温室野菜生産成果継続拡大」

 

 標記記事は、「80日戦闘が開始され現在まで農業省的な温室野菜生産目標が超過遂行された」とした上で、各地の温室野菜生産への取り組み状況を紹介している。

 また、同日掲載の「改築現代化された平北豚工場竣工」と題する記事は、平安北道所在の同工場の改築工事の竣工式が6日、同道党委員長ら出席の下で行われ、「生産と経営活動の情報化と餌生産の工業化を実現できるように工程が現代的に整備され、(食)肉生産を増やすことのできるもう一つのしっかりとした物質技術的土台が築かれた」と報じている。

 このような報道は、北朝鮮の農業政策の目標が生存レベルの食糧(穀物)の絶対量確保にとどまるものではなく、それを前提とした「食」の質向上に向けられていることを示すものといえる。

 本ブログでも推測しているとおり、ことしの穀物収穫量は、過去最高を記録したとされる昨年に比較すると、一定の減少は免れない模様であり、一部には、コロナ禍による貿易の激減による影響も加味して、北朝鮮の食糧事情の悪化(「苦難の行軍再来」?)を予測する向きもあるようである。

 しかし、仮に、そのような深刻な状況が目前に迫っているとしたら、温室野菜とか養豚などに資源を投じるであろうか。少なくとも、北朝鮮当局の想定には、広範囲に及び餓死発生といった状況は含まれていないと考えられる。