rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年2月2日 1月の生産実績続報と人民生活向上策の検討状況

 

 標記に関し、今日の「労働新聞」は、「党第8回大会決定貫徹のための自力更生大進軍の力強い歩み 人民経済諸部門において1月戦闘目標遂行」と題する記事を掲載した。

 同記事によると、石炭工業部門において「1月戦闘目標を輝かしく完遂した」のをはじめとして、「軽工業省的に数十に達するすべての指標に関する1月戦闘目標が完遂された」ほか、林業部門でも「1月戦闘目標を遂行した」という。また、端川地区鉱業総局でも「主要指標に関する1月生産目標を遂行した」と報じている。

 同報道は、一昨日の金属工業部門、昨日の化学、火力発電、鉄道運輸部門における1月目標の遂行に関する報道に続くものであり、「5カ年計画」の順調な滑り出しを改めて印象付けるものである。

 そのような「5カ年計画」の重要な狙いの一つが人民生活の安定向上であるが、それに関連して本日掲載されたのが「食衣住問題解決において実際的変化と革新をもたらすための対策を研究討議 農業、軽工業、水産部門と市、郡指導機関において」と題する記事である。

 同記事は、関連する諸機関において「人民生活の安定向上のための対策を集団的に討議」しているとして、各機関の主な取り組み内容などを報じている。

 それによると、「農業省では、党が提示した穀物生産目標を無条件に占領し、農業の持続的発展のための物質的土台を固めていくことを問題討議の基本議題」としているという。また、軽工業省、水産省では、「人民に満ち足りた文明的な生活と豊かな食卓を提供すること」を目指しており、特に前者では、「原料資材の国産化再資源化を生命線、主方向として堅持し、軽工業の自立性と計画的で持続的な生産増大」の実現を目指すとしている。

 このような研究討議は、今次「5カ年計画」においては、単に個別産品の生産増大を目指すというよりは、それらをいかに安定的・持続的に生産し、また、そういった生産部門の成果をいかに人々の消費生活の実際的安定・向上に結び付けるかに焦点が当てられていることを反映した動きといえるのではないだろうか。

 あわせて注目されるのは、穀物生産目標の確保がいまだ「食衣住問題」の重要課題の一つとして掲げられていることで、そこからは、北朝鮮の食糧事情が決して楽観を許さないものであることがうかがえる。