rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

12月10日 評論「党員達よ、栄光の大会に向けた総進軍で自らの任務を尽くそう!」

 

 標記評論は、党員に対して「党性」の涵養・鍛錬の重要性を訴えたもので、本日「労働新聞」の冒頭に掲載されている。歴史的エピソードなども交えた、かなりの長文であるが、さわりの部分だけ紹介したい。

 まず、「党性」について、「いついかなる条件においても、党の路線と政策を最後まで貫徹し、個人の利益よりも党と人民の利益をまず考え、そのために水火を問わず闘争し、言葉よりも実践を優先させることで表現される」ものと説明し、「党性の鍛錬強化、ここに党員の存在価値がある」として、その涵養・鍛錬の重要性を強調している。

 そして、そのための方法としては、「党生活」を取り上げ、「革命性と組織性を育て、すべての問題を党的立場から見て、処理する能力を育てる革命的な組織生活、自覚的な党生活は党性鍛錬の必須不可欠の条件である」と主張している。

 また、あわせて「党組織観念」すなわち党に対する認識の重要性を指摘し、「党組機を母の懐のように貴重なものとみなし、その懐にすべての依託し生活すること」を求めている。それは、また「党規律」の遵守をも意味するものとされる。

 とりわけ、幹部に対しては、「幹部であるほど党性鍛錬をより強化しなければならい」として、その励行を強く求めている。

 以上のような「党性」鍛錬の要求は、党員とりわけ党幹部に対する不正腐敗、官僚主義、権力乱用などの戒めと表裏一体をなすものといえよう。したがって、この時期に、このような評論が掲載されたことは、党大会開催に向け、改めて党内の引締めを図っていることをうかがわすものであり、党大会で示される新たな方針の中にも、それに関連した事項が重要な柱の一つとして盛り込まれる可能性が高いと考えられる。