rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年1月13日 党第8回大会が閉幕

 

 1月5日に開幕した標記大会が12日、8日間の日程を終え閉幕したことが今日になって報道された。

 最終日12日の会議は、概ね、①金正恩の「結論」、②第1議題に関する決定書採択、③金正恩の「閉会辞」の順で進められた模様である。

このうち、①は概して路線・政策についての言及が主であった。とりわけ、「経済建設は今日、我々が総力を集中すべき最も重要な革命課題」として、「新たな5か年計画」の様々な課題についてかなり詳細に言及した。これに対し、軍事力整備については、「核戦争抑止力をより強化しつつ、最強の軍事力を育てることにすべてを尽くすべき」などと訴えたが、言及量は経済分野に比すると圧倒的に少なかった。ただし、そうだからといって、今後は本当に経済建設に力量を集中していくと断言できるかと問われれば、同様のスローガンの下、結果として軍事力整備が先行してきたこれまでの経緯を勘案すると、それは未知数と答えざるを得ない。むしろ、同「結論」で印象的だったのは、「以民為天」「一心団結」「自力更生」の三つを今次大会のスローガンとすることを訴えたことで、ここに金正恩の意志が集約されているように感じる。

 一方、③は、大会運営のあり方や今後の取り組み姿勢などについての言及が中心で、これまで経験した各種会合の中で、今次大会ほど「問題討議に心酔し熱中する、このような参加熱意は初めて」と述べ、大会運営における出席者の参画重視の姿勢を改めて明らかにした。また、「5カ年計画をはじめとした本大会が決定した課題をいかに貫徹していくかによって、社会主義偉業の前途が左右される」などと述べて、それら課題を「無条件に徹底」すべきことを強調し、大会決定に関する「全党的学習」をはじめとした取り組みを強く求めた。

 また、②は、昨日の部門別協議会での「創発的で建設的な意見」などを反映したとする決定書草案作成委員会の提案を承認して、「朝鮮労働党中央委員会第7期事業総括報告に提示された課題を徹底して貫徹することについて」と題する決定書を採択したとされる。同決定書の原文は未公開で、後日、「党内本」として伝達されるという。いずれ流出して外部でも明らかになることを期待したい。

 なお、大会閉幕と踵を接するようにして、12日、最高人民会議第14期第4回会議の今月17日の開催が正式に決定された(報道は13日)。同日程については、昨年12月、「1月下旬」とされてきたところであり、やや繰り上げられた感がある。議題は、「組織問題」(人事異動)、「国家経済発展5カ年計画」に伴う法令採択、国家予算・決算関係とされている。金正恩の「党総書記」に伴い一部で予測された「国家主席」就任は、憲法改正を要することから、少なくとも今回の会議では行われないとみられる。

 一方、大会に関連して予測されている軍事パレードなどに関する報道はいまだない。あるいは本日実施されているのか。今次大会の意義については、最高人民会議の結果やそういった行事状況なども含めた上で、総合的に判断する必要があろう。