rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年1月21日 社説「党第8回大会の思想と精神でしっかりと武装しよう」

 

 標記社説は、今次大会の特徴について、「自分の事業を肯定的な面からではなく、批判的な見地から分析総括し、我々の前進のための明白な里程標を立て・・・たということに党第8回大会が持つ歴史的意義がある」とした上で、同大会の「基本思想、基本精神」について、「社会主義建設の主体的力、内的動力を非常に増大させ、すべての分野において偉大な新たな勝利を成し遂げていこうというものである。換言すると、我々の内部的な力を全面的に整理整頓し再編成し、それに基づいてすべての難関を正面突破しつつ、新たな前進の道を開いていかなければならないというものである」と述べている。

 そして、そのために、「客観的条件を口実に冬眠する敗北主義。保身主義をはじめとした誤った思想観点と無責任な事業態度、無能力を徹底して払拭」することを訴えている。

 本社説の以上のような主張のうち、「党大会の基本思想、基本精神」に関する記述は、1月16日に掲載の評論「党第8回大会の基本思想、基本精神」(同日付け本ブログ参照)における主張とまったく同じであり、そのように定式化されていることがうかがえる。

 また、批判対象となっている現象に関する表現も、大会での金正恩の「報告」などで指摘された内容とほぼ同じであり、こういったところが今後の課題となっていると思われる。

 なお、以上のような主張は、2019年末の中央委員会第5回会議で打ち出された「正面突破」路線とも多くの点で符合する。今次大会は、同路線の継続・強化を改めて周知徹底するものであったと言っても過言ではないであろう。

 昨年には掛け声だけで実践できなかった「内部的な力の全面的な整理整頓・再編成」が今年は本当に実行できるのか、注目したい。