rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

8月27日 社説「自力自強の貴重な成果で党第8回大会を迎えよう」

 

 標記社説は、表題のとおり次期大会に向けての基本方針が「自力更生」路線であることを改めて明示するとともに、当面の主な活動目標を提示している。

 「自力更生」路線堅持の方針を端的に示しているのは、「自らの力を信じ奮起するなら出来ないことはないとの確固たる信念と意志を堅持しなければならない。今日の総進軍における最大の敵は、惰弱性と他人に対する依存心である」との主張であろう。

 また、大会に向けた当面の主要課題としては、まず、「今年、党が提示した戦闘目標を必ずや占領するための生産突撃戦を果敢に展開」すること、具体的には、金属、化学、電力、石炭、鉄道運輸、農業などの分野での成果拡大を掲げている。平壌総合病院及び魚郎川3号発電所の建設もここに含まれる。

 次に、直面する「洪水被害復旧」及び「党創建75周年慶祝行事を最上の水準で特色を持って行うこと」が求められている。

 それに続くのが、「科学技術を発展と繁栄の宝剣としてしっかりと堅持していく」こと及び「集団主義精神をより高く発揮していく」ことである。後者に関しては、「自力更生は、集団主義に基づくときにだけ巨大な生活力を発揮することができる」と、その重要性を強調している。

 同社説の以上のような主張からうかがえることは、北朝鮮が次期大会においても、「科学技術」と「集団主義」を両輪として「自力更生」の実現を目指すという既定路線を堅持するであろうということである。一部には、次期大会開催に関する決定の中で、「情勢の新たな要求に基づいて正しい闘争路線と戦略戦術的方針を提示する」との表現があることなどを根拠に、北朝鮮が制裁、コロナなどによる経済不振打開のため、次期大会において「改革」的路線に転換するのではないかとの見方もあるようだが、それは、以上のような報道から判断すると、「希望的観測」に終わる可能性が高いと言わざるを得ないであろう。