rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年2月27日 評論「整備戦略、補強戦略実現において何を重視すべきか(2月28日記)

 

 「整備戦略、補強戦略」というのは、金正恩が「5か年計画」の基調として提示した概念である。標記評論は、その趣旨を解説したものといえる。

評論は、その趣旨について、「力を蓄積し、着実な準備を備えることは、遠い道を進むための先決条件である」とした上で、「整備補強は、軍隊においてある拠点を占領したのち、新たな攻撃作戦を行うため占めている陣地を強固化しつつ力量と軍需物資を補充し、戦闘準備を徹底して行うのと同じ」との比喩を用いている。

 そして、今現在、そのようなプロセスが必要な理由として、北朝鮮経済の現況に関し、「国家と人民の富強繁栄のためのわが党の構想と目標を円満に実現するためには、経済部門に不足した点、立ち遅れた点が少なくない。生産工程や施設のみならず経済事業体系と部門間の有機的連携を復旧整備し発展させようとするなら、なすべきことは膨大である」との厳しい認識を示している。

 結論として、「5か年計画」を「整備戦略、補強戦略」を基調として推進するということの意味としては、「新たな5か年計画期間を持続的発展のしっかりとした土台を準備する重要な契機」とすることを目指すことが強調される。

 ただし、一方では、「5か年計画期間の整備補強は、決して立ち止まって行う事業ではなく、不断の前進過程で行うべき課題である。現行生産も円満に保障しつつ展望的発展のためのしっかりとした土台を同時に構築」することを求めている。

 以上の解説だけでは、具体的にどのような点の「整備補強」していくのか判然としないが、今後の持続的発展を可能にするために、今は地道に基礎固めに努めるという方向性はうかがうことができよう。