2021年3月17日 評論「今年の経済事業の中心」
標記評論は、「朝鮮労働党第8回大会の文献を深く学習しよう」とのサブタイトルを付して掲載されたもので、先の党大会の決定を受けた「今年の経済事業の中心課題」が何であるかを端的に示したものである。
それによると、第1は、「(新型コロナウイルスに対する)国家的な非常防疫態勢を徹底して堅持すること」であり、第2は、「自力更生の原則において5か年計画遂行の基礎を強固に固めること」である。これには、「国家の統一的な指揮と戦略的管理を一層強化」することと「5か年計画の基本種子、主題」である「自力更生、自給自足」のための資源・燃料等の国産化、再資源化などの動きが含まれる。
第3は、「人材育成を先行させること」であり、第4は、「単位特殊性と本位主義を決定的になくすこと」である。なお、これについては、「すべての部門、すべての単位において特殊性を主張し本位主義を発揮する現象が現れないよう対策を立て、法的統制を強化しなければならない」としており、党・軍傘下の一部の「特殊単位」にとどまらず、より普遍的な現象として提起されていると考えられる。
以上のような「中心課題」の選定は、このところの報道における重点とも符合するように思われる。現在の北朝鮮の政策方向を反映しいているといえるのではないだろうか。