rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年3月5日 南浦市内の青年140余名が農村に進出

 

 3月3日付けの本ブログにおいて、除隊軍人の農村への送り込みの動きに関する動向を紹介したが、本日の「労働新聞」は、「党の農村建設構想を先頭で奉じる頼もしい青年たち 南浦市内の140余名青年たち社会主義農村に進出」と題する記事を掲載した。

 同記事によると、南浦市内の青年140余名が、「(同)市内の20余個の農場に進出してわが党の農村建設構想を先頭で実現していくことを決意した」ことを受け、「社会主義農村へと(進出することを)嘆願した青年たちを祝賀する集会」が4日、同市内で、市幹部ら出席の下、開催されたという。

 また、同集会では、これら青年が「討論」を行い、その中では、「党の呼びかけに従って難しく大変な(農業)部門へ勇躍駆けつけることを全国の青年たちに呼びかけた」という。

 いうまでもなく、こうした動きは、個別の青年たちの自発的な志願に基づくものではなく、党指導部の意向を反映したものと考えられ、今後、前述のような「呼びかけ」に応える形で、他地域でも同様の動きが繰り返されることも予想できる。

 除隊軍人にせよ南浦市の青年にせよ、その農村派遣の背景として、「党の農村建設構想」が強調されている。本日の別項で紹介したとおり、「市・郡党責任書記講習会」において金正恩が「結論」の中で、農村に対する活動に関し「営農活動にばかり重きを置かず、3大革命を推進」することを呼びかけたのも、それと符合するものと考えられる。なぜ、ここにきて突然このテーマが浮上してきたのか、背景は不明だが、注目される動きといえよう。