rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年5月4日 青年同盟大会フォローアップ

 

 標記大会は、4月29日閉幕したが、その後、様々な関連動向が続いたので、まとめて紹介したい。

 まず、翌30日には、大会参加者のための講習会が開催された。講師は、李日換党秘書兼勤労団体部長が務めた。また、同日には、青年中央会館において、「党中央にしたがって永遠に一路を行く」と題する青年中央芸術宣伝大公演が開催され、大会参加者が党幹部とともにこれを観覧した(以上、5月1日付け「労働新聞」報道)。

 更に30日には、金日成競技場において、李日換党秘書及び青年同盟大会参加者のほか平壌市内の青年学生が参加した「青年前衛決起集会」が開催され、大会で新任された文哲青年同盟中央委員会委員長が「報告」を行ったのに続き、同地方組織幹部らの決意表明や金正恩に捧げる「宣誓文」の採択などが行われ、閉幕後、「決意行進」が行われた(5月2日付け「労働新聞」報道)。

 その上で5月3日付けの「労働新聞」は、「敬愛する金正恩同志の歴史的書簡を高く奉じ朝鮮青年運動の新たな全盛期を開いていこう」と題する社説を掲載し、金正恩書簡の実践を呼びかけた。

 このほか、大会と直接関係するものではないが、4日の「労働新聞」は、「平安北道の数百名の青年が炭鉱、鉱山、農村、発電所などに志願進出した」ことを報じる記事を掲載している。ただし、同記事は、その時期については明示しておらず、これまでの累計数を改めて報じたもののように思える。

 不思議なのは、5月1日に金日成広場において大会参加者のためのマスゲーム、夜会、祝砲(花火)などが盛大に実施され、朝鮮中央テレビでは、その実況録画番組を放映したにもかかわらず、「労働新聞」には、それについての報道がまったくないことである。行事内容に関し、事後的に何か不都合な点が指摘されたのであろうか。いずれにせよ、極めて異例の出来事といえるのではないかと思うのだが、韓国の報道などでは特に問題視されていないようである。2日に対米、対韓関係の談話が相次いで発表されたため、関心がそちらに向いてしまったためかもしれないが、何か釈然としない。背景が注目される。