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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年4月29日 金日成金正日主義青年同盟第10回大会開催

 

 本日の「労働新聞」は、標記大会が去る27日に開幕したことを報じている。同報道による大会初日の開催状況は、概ね次のとおりである。

 主な出席者:李日換党秘書兼勤労団体部長、金才龍組織指導部長、権英鎮軍総政治局長

 議題:①中央委員会事業総括、②中央検査委員会事業総括、③同盟の名称変更(先の党大会で予告されていたもの)、④規約改正、⑤中央指導機関選挙

 第一議題(中央委員会事業総括)に関する「報告」(朴哲民委員長)

 第一議題に関する「討論」:軍青年同盟組織代表、平壌市青年同盟組織代表(2名)、速度戦青年突撃隊青年同盟代表の4名。

 このうち、「報告」骨子は、次のとおりである(番号、記号は筆者が便宜的に付したもの)。

1 前回大会以来5年間の活動成果:すべて「(金正恩総秘書同志の偉大な領導の輝かしい結実」として、感謝の意を表明。

2 「同盟事業に内在している欠陥」:①同盟内部事業に力を注いで取り組めなかった、②青少年の中で現れる反社会主義、非社会主義的現象との闘争を高い強度で展開できなかった、③青年たちを社会主義建設の先頭に立たせるための事業を大胆に規模を大きく積極的に組織展開できなかった、

 「(これら欠陥の)原因は、青年同盟幹部の思想的覚悟が不足し、誤った執務姿勢と無責任な事業態度を改められなかったことにあり、それによりもたらされた後禍は厳重である」

3 当面の課題

① 同盟組織の強化・思想教養活動の活発化

ア 党中央の絶対的権威確立

イ 5大教養事業の強化:革命伝統教養、忠実性教養、愛国主義教養、反帝階級教養、道徳教養を攻勢的に展開。青年学校運営の正常化など

ウ 初級組織の強化:初級団体委員長(党の細胞秘書に相当)らの指導育成など

エ 学生少年対策の強化:「知・徳・体を兼備した有能な革命人材、少年革命家」に育成、「世界的な科学者、発明家に育つよう」

オ 同盟幹部隊列の整備

カ 反社会主義、非社会主義的現象の根絶、社会主義生活様式の確立

②「5か年計画」の目標遂行に向け各部門の同盟組織を通じて貢献

ア 主要工業部門

イ 建設部門:白頭山英雄青年旅団(三池淵整備)、速度戦青年突撃隊(平壌市住宅建設)

ウ 農業・水産業軽工業部門

エ 人民軍、軍需工業部門

オ 科学研究部門

カ 文化(芸術、体育)部門

 以上の開催状況は、概ね想定内のものといえる。しいて注目点をあげるとすれば、これまでのところ、金正恩の出席ないし書簡送付などの関与が何もないことであろう。ただし、今後の日程の中で何らかの動きがある可能性もあろう。何もないままに終わってしまうと、ちょっと寂しい感じがする。