rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年6月23日 評論「我が党と国家の最重大政策」

 

 標記評論は、「党中央委員会第8期第3回全員会議において提示された課題を深く刻もう」とのサブタイトルを付して掲載されたもので、同会議における育児政策に関する決定の重要性を強調し、その実践を訴えるものである。

 まず、「祖国の未来である子供たちを丈夫にしっかりと育てることより重大な革命課題はな(い)」と主張し、「全員会議においては、全国の子供たちに乳製品をはじめとした栄養食品を供給することを党の政策として樹立」に関し、「総秘書同志の限りなく慈愛深い後代愛、未来愛」を強調している。

 その上で、その実現に向け、「我が党の崇高な育児政策を徹底して貫徹しようとするなら、すべての幹部が子供たちの本当の親になった心情で献身奮闘することが重要である。幹部は、党と革命、祖国と人民に対する忠実性を託児所、幼稚園の子供たちをしっかり食べさせることに格別の関心をめぐら・・さなければならない」、「幹部は、子供用食料品を生産保障することは、党政策の中でも逃してはならない、優先的に執行すべき政策であるということを銘記し、天が崩れても両手を踏ん張って党政策を徹底して貫徹するとの決死の覚悟をもって奮闘しなければならない」などと最大限の強調を繰り返している。

 全員会議での「育児政策」に関する決定の背景に「子供たちの健康管理問題」が存在していたことは、6月21日付けの本ブログでも指摘したとおりであるが、同評論は、その健康管理問題」の実相が「しっかり食べさせること」「子供用食料品を生産保障すること」であることを直截的に示すものといえよう。

 更に注目すべきは、この問題が「天が崩れても両手で踏ん張って・・決死の覚悟をもって奮闘」しなければならないほど解決困難なものであるということである。

 北朝鮮の食糧事情は、想像以上に厳しい状況に直面しているのかもしれない。