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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年4月20日 評論「経済事業に対する党的指導の基本方法」

 

 標記評論は、「経済事業に対する党的指導の基本方法」について、船の「舵取り」に譬え、その具体的在り方を「党委員会が党政策に基づいて経済事業を方向的に、方法的に指導すること」とした上で、その具体的在り方を敷衍している。

 まず、「方向的指導」については、「党委員会の集団的指導(協議)に基づいて、党政策の執行方向と方途を規定し、正しい決定を採択すること」としている。要するに、当該単位が上部から与えられた指示に即して、具体的な目標とその実践方法を策定することである。

 次に、「方法的指導」については、「党員と勤労者を発動して党委員会で討議決定された問題を徹底して執行するように政治的に指導すること」と述べ、①組織を動かし政治事業(思想宣伝活動など)を行う方法、②掌握統制しつつ支援する方法、③総括し再布置(不足点などについて改めて計画を立て直すこと)する方法、などの例を挙げている。要するに計画策定後の実践段階において、それを側面から促進することを意味するといえよう。

 評論は、また、そのような党的指導を実践する上での留意点として「党幹部が行政幹部を差し置いて彼らの事業を受け持つ行政代行型、行政型方法を徹底して排除」すべきことを挙げている。党幹部は、そうした実務にとらわれるのではなく、あくまでも「党の思想と方針を貫徹するための正しい対策を立て、行政幹部が党政策的線から脱線することなく、頑強に実践していくよう」に指導するよう専念すべきことを強調している。また、同時に「行政幹部隊列をしっかりと整え、彼らが党の経済政策に依拠して経済組織事業を進めるよう指導」することも求めている。これは、党幹部が行政幹部に対する人事権を行使し、その活動が党政策の枠から逸脱しないよう監督するよう求めたものといえよう。

 以上、特段新味のある内容ではないが、経済単位における党組織の在り方について簡明に論じたものとして紹介した。