rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年7月18日 金徳訓総理が「重大措置」実施状況を改めて確認

 

 本日の「労働新聞」は、金徳訓総理が三池淵市の諸事業を現地了解したことを伝える中で、「市内の託児所と幼稚園、糧政部門単位と山羊牧場建設場を視察し、人民と後代のため重大措置を取った党中央の意図を銘記して幹部が組織事業をより(しっかりと)実施し、党(中央委)全員会議決定を無条件に徹底して献身的に執行することについて強調」したことを報じた。これは要するに先の党中央委全体会議における金正恩の幼児への乳製品等供給と食糧配給指示の実践状況を改めて督励したものであろう。

 金総理のこのような動きは、7月11日にも伝えられたところであり(同日付け本ブログ参照)、当該指示の実践が重要課題となっていることがうかがわれる。ちなみに、「乳製品」というと牛乳を連想しがちだが、北朝鮮では、主に山羊の乳を中心に対策が講じられており、最近のテレビニュースでも、しばしば山野での山羊放牧の取り組みが紹介されている。

 なお、金総理の三池淵市視察の主目的は、もちろん、「白頭山地区革命戦績地踏査道路改良工事場と新茂城(音訳)洞をはじめとした三池淵市整備第3段階工事場」の視察である。厳しい経済状況を背景に金正恩肝いりの諸事業が中断される中でも、同市の整備事業は、引き続き推進されているようである。