rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年8月6日 咸鏡南道で水害発生

 

 8月5日午後10時放映の「朝鮮中央テレビ」の定時ニュース番組は、咸鏡南道各地において暴雨による洪水被害が発生したとして、破損した堤防や冠水した農耕地・住宅などの映像を放映するとともに、1,700余世帯の住宅が被害を受け、住民5千余名が避難し、数百町歩の農耕地、16,900mの道路、8,100mの河川堤防が被害を受けたと報じた。

 また、本日(6日)付けの「労働新聞」は、冒頭に「洪水と暴雨被害を最小化するための事業に総力を集中し、今年の総進軍の勝利を固く担保しよう すべての部門、すべての単位において最大に緊張し隙間ない対策を」と題する評論を掲載し、国を挙げた対策を督励している。

 ちなみに、同評論では、「倒壊した建物は再度建てることができ、達成できなかった実績は後に補充することができるが、人命被害は何をもってしても保障することができない」として、「人民大衆第一主義」に基づき人命保護を最優先すべきことを強調しているのが印象的である。

 北朝鮮では、8月に入ってすぐ、大雨による水害発生の可能性を指摘する予報が出されていたが(8月3日付け本ブログ参照)、5日のニュースでも、今後も大雨が予想されるとして一層の警戒を呼び掛ける気象水文局幹部の発言を改めて報じており、被害拡大の可能性が高いと考えられる。