rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年8月31日 金正恩が「青年節」行事参加者らと記念写真撮影

 

 本日の「労働新聞」は、金正恩が「青年節」慶祝行事参加者と記念写真を撮影したこと及びこれとは別に「困難で大変な部門に嘆願進出した青年たち」と面談・記念写真撮影を行ったことを報じている(いずれも日付なし)。

 このうち、後者については、金正恩を囲んで立つ9人の青年の写真が掲載されている。同記事の中では、金正恩が「落伍していた青年たち」が「祖国の富強繁栄のため一番困難で大変な哨所において人生の新たな出発したこと」を高く評価したと紹介されていることから、彼らが、29日付けの本ブログで指摘したような過去に問題のあった青年たちであることが分かる。こうした青年たちがこの9人だけなのか、あるいは、その中でも特に模範的な者が選抜されたのかは定かでないが、後者の可能性が高いのではないかと考える。

 また、同日掲載の別の記事によると、「青年節」慶祝行事参加者らが「多彩な政治文化事業」に参加したとして、記録映画「青年強国の輝かしい歴史」や「平壌大劇場、東平壌大劇場、烽火芸術劇場、国立演劇劇場をはじめとした首都の劇場において中央芸術団体芸術人が出演した革命演劇、歌劇、音楽舞踊総合公演など多彩な芸術公演」を観覧したほか、「凱旋青年公演遊戯場と綾羅人民遊園地において楽しく愉快な休息のひと時」を過ごしたことが報じられている(いずれも日付はなし)。

 このほか本日の紙面には、「労働党の呼びかけにしたがって血沸く青年大軍前へ!」と題する政論も掲載されている。

 更に、昨30日の「労働新聞」は、「党中央の大きな信頼と期待を心臓に深く刻み、朝鮮青年の英雄的気概を力強く轟かせよう」と題する社説を掲載したほか、29日に平壌市青年公園野外劇場において、「青年節慶祝舞台『愛国青年の威容轟かせん』」と題する行事が開催されたことを報じている。これを報じた朝鮮中央テレビのニュースを見ると、ここでは歌や踊りだけでなく、詩の朗読、困難部門に進出した青年の弁論、少年団員の祝辞など多彩な演目があって、観覧した青年らにそれなりの感動を与えたことがうかがえる。

 26日の参加者の平壌到着以来、実施されてきた「青年節」関連の行事ないし宣伝活動は、概ねこれで終了したと思われる。ただ、既に紹介したとおり、9月28日に召集される最高人民会議において「青年教養保障法」の採択が予定されていることなどに鑑みると、青年対策の活動は、今後とも粘り強く、また多彩な方法で展開されることが予測される。