rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年9月2日 「青年節」行事参加者、平壌を出発、帰路に就く

 

 本日の「労働新聞」は、「青年節」慶祝行事参加者が1日、党中央委幹部らの見送りの下、平壌を出発、帰路に就いたと報じている。

 また、昨日の「労働新聞」は、彼らが平壌市内の万景台革命史跡地(金日成生家)、青年運動事績館、革命烈士廟などを参観したと報じていた。その日付は報じていないが、前後の日程から勘案して、31日の出来事ではないかと思われる。

 同行事参加者については、26日の平壌到着が報じられていたので、ちょうど1週間、平壌に滞在したことになる。平壌で実施される大きな行事の参加者の滞在期間は、概ねこの程度になることが多いように思われる。平壌滞在中の主な動向を改めて整理しておく。

8月26日:平壌到着

  27日:錦繡山太陽宮殿を参拝

  28日:金正恩の「祝賀文」伝達集会、「青年学生夜会」参加

  29日~30日:記録映画・各種芸術公演観覧、遊園地訪問など

          金正恩と記念写真撮影(別途、9人は面談・写真撮影)          

  31日:平壌市内各所訪問

9月 1日:平壌出発、帰路へ

 なお、これら行事参加者は、約1万人とされており、いわゆる困難部門に「嘆願進出」した者が相当部分をしめていたように思われる(このほか、各地の青年同盟幹部、模範活動家なども含まれているのであろうが)。彼らは、この1週間の夢のような平壌滞在を経て、また進出先での苛酷な日常に戻るのであろう。

 ちなみに、金正恩が困難部門に進出した青年と面談した際の状況を伝える朝鮮中央テレビのニュース映像を見ると、この9人の青年の動作・表情が尋常でないことが顕著にうかがわれる。雲の上の人にあった感激と緊張の余りというだけでは到底説明できない、その異常さは、「落伍していた」時期を含め彼らが経てきた経験がどれだけ苛酷なものであったかを物語っているように感じられる。