rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年12月21日 各地青年による困難部門への進出者数を「10500余名」と報道

 

 本日の「労働新聞」は、青年関連の記事を多数掲載しており、そのうち「全国を震撼させた嘆願暴風」と題する記事は、「総合された資料によると、党第8回大会以後全国的に1万500余名の青年が金属、石炭、採掘工業部門と社会主義農村をはじめとした人民経済の困難で大変な部門へと積極的に嘆願した」ことを伝えるとともに、「その数は引き続き増えている」と報じている。そして、「これは、党と祖国の呼びかけに忠実で社会と集団に誠実であり、未来のために一身を捧げて闘争する我が時代青年たちの崇高な精神世界の発現となる」と主張している。

 しかし、この青年の困難部門への嘆願・進出動向に関するこれまでの報道を見ると、4月13日に「1,600余名」、「7月3日現在で9,800人」(7月5日付け本ブログ参照)、9月17日に「約1万人」となっており、5~6月に急増したものの、その後はほとんど増えておらず、とりわけ、直近の9月以降12月まで約3か月の間には約500人しかいないことになる。

 このことは、この活動が4月末開催の青年同盟大会の開催及び同大会あて金正恩書簡送付を受けて活発に展開されたものの、2か月余りで熱がさめてしまい、8月末の「青年節」に際し全国の進出青年らを平壌に招集して大会を開催し、金正恩自ら接見、記念写真撮影などを行ってのテコ入れを行ったことの効果は非常に限定的であったことを物語っているといえよう。

 この各地青年の嘆願・進出動向は、朝鮮中央放送の日々のニュースなどで最近もしばしば報道されているが、その実情は、この数字が示していると見るべきなのであろう。