rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年10月1日 新型対空ミサイルの発射実験を実施

 

 本日の「労働新聞」は、国防科学院が9月30日、「新たに開発した対空ミサイルの試験発射を実施」したとする朝鮮中央通信記事を掲載した。同記事の骨子は、次のとおりである。

参観者:朴正天、国防科学研究部門の指導幹部(先の極超音速ミサイル発射実験時と同じ)

試験目的:「新たに開発した対空ミサイルの総合的戦闘性能」、「発射台、探知機、戦闘総合指揮車の運用実用性」を確証

試験結果:「双舵操縦技術と2重インパルス飛行発動機をはじめとした新技術導入によりミサイル操縦体系の即応性、誘導正確度、空中目標消滅距離を大幅に増加させた新型対空ミサイルの戦闘的性能が確証された」

今次試験の意義:「展望的な多様な対空ミサイル体系の研究開発において非常に実用的意義を持つ」

 要するに、今次試射は、「双舵操縦技術と2重インパルス飛行発動機」といった新技術を導入し、命中性能・射程などを向上させた新型ミサイル本体の飛行性能に加えて、その発射台、レーダー、管制車両などが一体となった兵器システムの運用能力を確認したものであり、更にそうした技術は今後開発する別の対空ミサイルにも応用可能であるということを主張しているのであろう。

 政治的な意味としては、今回は明らかに弾道ミサイルではないので、国連決議違反との批判を免れつつ、核戦力のみならず通常戦力に関しても整備を着々と進めていることを内外に改めて印象付けるものといえよう。