rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年1月11日 社説「党中央の周囲に千万が固く団結した一心団結の不可抗力でより大きな勝利を成し遂げていこう」

 

 標記社説は、「一心団結」が勝利の要諦との立場から、「一心団結」実現のための課題を提示したもの。

 まず掲げるのが「敬愛する金正恩同志の革命思想でしっかりと武装」することである。何故なら、「敬愛する金正恩同志の革命思想は我が時代の革命と建設の偉大な実践綱領である」からである。

 次に掲げるのは、「党中央の唯一的領導体系をより徹底して確立するための事業を引き続き深化」させることである。そのためには、「(各単位などで)提起されるすべての問題を漏れなく党中央に報告し、結論にしたがって処理し動く革命的規律と秩序を引き続き厳格に堅持しなければならない」と訴えている。

 その上で、「全党、全国、全民がより果敢な勇気と自信を持って社会主義建設の全面的発展のための今年の決死戦に総決起、総邁進しなければならない」と主張する。具体的には、「今年の戦闘目標遂行のための計画を現実的、動員的に樹立し、一つ一つ成果が出るように正確に実践」することが必要であるとしている。また、あわせて、「単位特殊化と本位主義を徹底して克服」することなども求められている。

 更に、「互いに助け導き痛みを分かち苦難に打ち勝つ集団主義的生活気風、道徳気風が全国を支配するようにする」ことを求めている。そこでまず強調されるのは、「家事よりも国事を優先させ、党と国家と困難を共にして社会と集団、同志のため自らのすべてを捧げる集団主義的人生観、道徳観」である。要するに利己主義に走るなということであろう。

 ここで主張されていることは、いずれも従前からのもので何ら新味はないが、逆に新年に際しても、引き続きそれらの実現が重要な課題となっているということを改めて示すものともいえる。そうした意味で、敢えて紹介した次第である。