rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年9月3日 8月人民経済遂行状況を報道

 

 本日の「労働新聞」は、標記に関し、「人民経済諸部門と単位で8月計画完遂」と題する記事を掲載した。

 同記事の記述方法は、6月以来のスタイルにのっとって、様々な取り組み状況の紹介が中心であり、個別の部門・単位の計画遂行状況そのものについての記述は多くない。

 そうした中で、部門全体として計画完遂が記述されているのは、「機械工業部門でも、製品の質と生産量を高めることのできる新技術を開発、共有しつつ、8月人民経済計画を完遂した」との部分だけである。

 また、個別の企業所に関しても、計画完遂を明記しているのは、次の部分に限られる。

  • 「徳川地区炭鉱連合企業所、球場地区炭鉱連合企業所をはじめとした諸単位において託された石炭生産計画をたがえることなく遂行した」
  • 「大安親善ガラス工場においても、・・・8月経済を完遂した」
  • 「採掘工業部門と林業部門の多くの単位においても・・・託された生産計画をたがえることなく遂行した」

 前述のような記述スタイルのため、8月の生産計画を達成できた部門・単位がここに紹介されたものに限られるのか否かは判断に苦しまざるを得ないが、仮に、そうであるとすると、順調なのは、石炭をはじめとする採掘や林業など第1次産業部門が中心であり、一方、基幹産業の柱とされる金属、化学部門は停滞気味といった傾向をうかがうことができる。機械工業部門の計画完遂は、全体的に順調というよりは特定品目の好調といった、何か統計的なマジックによるものではないだろうか(根拠なき憶測であるが)。