rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年4月3日 第1・4半期の経済計画遂行状況を報道

 

 本日の「労働新聞」は、「12個重要高地占領へと向かう力強い進軍気勢 人民経済諸部門と単位で1・4分期計画完遂」と題する記事を掲載し、標記状況を報じている。

 同記事では、経済各部門の取り組み状況を報じているが、部門全体として人民経済計画を完遂したと明記された部門はなく、いずれも先進的な単位の取り組み状況などを報じるにとどまっている。そのうち計画の完遂・遂行を明記された単位は、次のとおりである。

  • 金策製鉄連合企業所・・圧延鋼材生産計画を所定の期日に遂行」、「金属工業部門の多くの単位・・託された生産計画を完遂」
  • 「祥元セメント連合企業所と順川セメント連合企業所・・日別セメント生産計画を違えることなく遂行」
  • 「徳川地区炭鉱連合企業所、北倉地区炭鉱連合企業所、得場地区炭鉱連合企業所をはじめとした諸単位で石炭生産計画を違えることなく遂行」
  • 林業部門の多くの単位が1・4分期山地丸太生産計画を完遂」
  • 「紡績工業部門の諸単位でも・・計画完遂期日を早めた」

 北朝鮮では、去る2月の党中央委第8期第7回全員会議で人民経済計画の無条件的な遂行が議題とされ、以後、計画貫徹が督励されてきたところであり、第1・4半期の遂行状況が注目されていた。

 以上の報道から推測すると、金属、石炭、林業、紡績などの分野は比較的順調とみられる。一方、電力部門については、いずれの単位についても「設備のフル稼働を保障」などの表現にとどまっており、化学工業部門についても、科学技術導入の取り組みなどが中心で生産実績については「増大」などの記述にとどまっている。仮に化学肥料生産が順調でないとすると、最重点課題とされた食糧増産に支障をもたらすことになろう。

 他方、丸太、セメント、鋼材などの生産は比較的順調な模様であり、これは、もう一つの目玉である住宅建設に追い風になるとみられる。