rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年10月8日 「国防省代弁人回答」を通じて、米空母の日本海再進入などを非難(10月9日記)

 

 10月8日、朝鮮中央通信は、国防省代弁人が同日、「(同社)記者の質問に次のとおり回答した」として、次のような内容を報じた。

  • 現在、米空母と南朝鮮傀儡海軍が、東海公海上で我々に反対する海上連合機動訓練を展開している。
  • 米国が空母打撃集団を朝鮮半島水域に再進入させたことだけでも、「地域情勢に及ぼす否定的波長は非常に大きい」
  • これは、挑発的な「(米韓)合同軍事演習に我が軍隊が正当な反応を示したことに対し、いわゆる警告を送ろうとする軍事的虚勢である」
  • 共和国武装力は、「極めて憂慮すべき現事態(の)発展について厳重に見ている」

 今次「回答」の以上のような主張は、①先般来のミサイル発射を米韓の合同訓練に対する「正当な反応」と主張している、②現状に関し「厳重に見ている」とするにとどめ、それへの対抗措置などには言及していない、などの点で10月6日付けの「外務省公告文」の内容・水準とほとんど同じといえる。「国防省」を登場させたことは、緊張の度合いを一段階進めたものとも言えるが、この朝鮮中央通信の記事は、「外務省公告文」と同様、「労働新聞」には掲載されていないので、これまでのところ、国内の緊張を高めようとの考えはないと思われる。

 一方で、北朝鮮は、本日午前1時にも東海岸から2発の短距離ミサイル発射を行っており、実際行動を通じて、米韓への軍事的活動に対しては、相当の軍事的対応を取るとの姿勢を鮮明化させている。かねて主張してきた「強には強」を実践しているということであろうか。