rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年12月31日 党中央委全員会議5日目に政治局会議を開催

 

 本日の「労働新聞」は、26日から続行中の党中央委第8期第6回全員会議拡大会議5日目の状況を報じる記事に加え、30日、第8期第12回政治局会議が開催されたことを伝える記事を掲載した。両記事を総合した一連の経過は次のとおりと思われる。

  • 党中央委第8期第6回全員会議拡大会議5日目:「部門別指導小組が該当分科において提起された意見を総合」し、「決定書草案に補充すべき一連の重要問題について研究討議」し、「修正、作成された決定書草案」を「政治局の審議に提出」
  • 第8期第12回政治局会議:金正恩が「司会」し、次の事項を討議・決定   ①決定書草案:「部門別分科研究及び協議会」の「意見を聴取し研究し、重要な審議工程を経て決定書草案を最終完成」し、「全員会議に提起」を決定    ②国家予算案:「国家予算審議組が2023年度国家予算案を審議した状況を聴取し検討」の上、「全員会議の承認に提起」を決定             ③経済関係重要措置:「2023年度人民経済主要部門の発展を推動するための一連の重要措置」について「討議し全員一致で決定」「全員会議に報告」を決定④その他の重要問題:「党及び国家事業全般において提起されるその他一連の重要問題も討議」                             ⑤金正恩発言:「主客観的形勢と今後予見される条件と環境について分析」し、「戦略戦術的原則と闘争方向について明らかにされた」

 これまでの報道を総合すると、第1議題に関する「決定書」については、まず、29日に分科別の「研究及び協議会」で討議を行い、それを30日に各分科の「指導小組」が集約した上で政治局会議に報告、更にそこで審議して、「決定書草案」を完成させたという流れとなる。それだけ慎重かつ十分な討議・審議を経て策定されたということを印象付け、取り組み意欲を引き出そうとの狙いがうかがえる。

 また、それとは別途に③及び④の決定ないし討議が行われたことも注目される。残された2議題として、31日の全員会議で何らかの決定などがなされる可能性があろう。

 一方、⑤については、前述の①から④の中でのものなのか、それとは別途の論点として発言されたものなのか判然としないが、表現からすると、対外・対韓分野に関するものであるのかもしれない。

 いずれにせよ、31日、全員会議が様々な決定を採択の上、閉幕し、金正恩の結語・閉幕辞なども含めて、会議の全体的結果が明日元旦にまとめて公表されるのであろう。

 結果をお楽しみに。ただ、本ブログでの紹介は、2日以降になるかもしれませんので、あらかじめご了承下さい。

 読者の皆様には、1年間、本ブログを閲覧いただきありがとうございました。どうか、良いお年をお迎えくださいませ。