rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年1月28日 金予正が米国の対ウクライナ戦車供与を非難の談話発表

 

 朝鮮中央通信は、1月27日、米国の対ウクライナ戦車供与決定を非難する金予正党中央委員会副部長名義の同日付け談話を報じた。その骨子は、次のとおり。

  • 「米国が、最近は自分らの主力戦車まで提供すると公式発表することによって、反ロシア対決の立場をより明白にした。これには、ロシアを破滅させるための代理戦争をいっそう拡大して自分らの覇権的目的を達成しようとする米国の腹黒い下心が潜んでいる。」
  • 「私は、・・戦況をエスカレートさせている米国の行為に深刻な憂慮を表明するとともに、それを強く糾弾する。」
  • 「私は、米国と西側が自慢するいかなる武装装備も、英雄的なロシア軍隊と人民の不屈の戦闘精神と威力の前で残らず燃えてしまい、くず鉄の山になると確信してやまない。」
  • 「われわれは、国家の尊厳と名誉、国の自主権と安全を守るための戦いに決起したロシア軍隊と人民といつも同じ塹壕に立っているであろう。」 

 こうした談話の内容自体は、北朝鮮の従来の主張の延長線上のものであり、何ら驚くにあたらないものといえよう。

 しかし、金予正が、米国のウクライナへの主力戦車の供与決定という個別的な事柄に対してまで、わざわざ談話を発表する狙いなり背景がよく分からない。ロシアに恩(媚?)を売りたいのであれば、外務省関係者の談話とかでもよかったようにも思えるのだが、敢えて、ここで金予正が登場した(あるいはさせた?)のは何故なのだろうか。金予正が暇をもてあましてのことであろうか。