rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年3月1日 党中央委第8期第7回全員会議拡大会議3日目の状況

 

 本日の「労働新聞」は、標記会議3日目(28日)において、「党と政府の幹部(複数)」の指導の下、分科別研究・協議会が開催されたことを伝える記事を掲載した。

 同記事によると、そこでは、まず、「(前日に金正恩が述べた)結論に対する集中的な研究」が行われ、次いで、「結論の基本思想に従って、・・自己の部門、自己の単位事業を革命的に改善するための方途を真摯に模索し、建設的な意見を提起し、討議事業を深化させている」とのことである。文字通り「結論が先にありき」の会議運営である。

 同記事は、協議会について、状況を現在進行形で記述しているので、同日には終了しておらず、4日目にも継続されるとみられる。また、添付の写真からすると、協議会は、3か所に分かたれている模様で、おそらく議題ごとに「農業」「経済規律」「金融」の3分科が組織されていると考えられる。

 なお、記事の記述は2日目までと同様、全般的に簡略かつ抽象的であり、今次全員会議の狙いなどは依然として判然としない。ただ、金正恩の「結論」について、「農村革命の旗幟高く、農業生産の持続的な成長を成し遂げ、我々式社会主義建設の全面的発展をより力強く推動するための発展方略と闘争方針が明示された」ものと説明している。ここから推測すると、やはり、餓死者が出るほどの食糧危機が起きていて、その打開のための緊急対策を樹立する、といったたぐいのものとは考え難い。

 むしろ、注目されるのは、先般本ブログで指摘した農場の経営形態の変更がどのような形で示されるのか(あるいは示されないのか)である。それ以外は、科学農法(品種改良、情報化など)の徹底をはじめとして灌漑施設の整備、河川整理による水害防止など、従前から提示されていた課題への更なる注力を訴えて終わることになるのではないだろうか。