rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年1月29日 第2回市・郡党責任秘書講習会の開催を報道

 

 本日の「労働新聞」は、標記講習会が1月25日から28日までの4日間にわたり開催されたことを報じる朝鮮中央通信の記事を掲載した。同講習会の概況は、次のとおりである。

  • 主な狙い:「『地方発展20×10政策』と新時代農村革命綱領を徹底して貫徹する上で提起される原則的および方法論的問題と実践方途を原理的に深く認識させ、市・郡党委員会が地元の特色ある発展を推進し、競争的な発展の流れを主導する政治的参謀部としての責任と役割をまっとうするようにする」
  • 受講者:「全国の市・郡党責任秘書と道党責任秘書、道党委員会当該部署の幹部、地方党事業に関連する幹部」
  • 事前学習:講習に先立ち、金正恩の政治局拡大会議での「結論」(「党の『地方発展20×10政策』を強力に推し進めるために」)に関する集中学習を実施
  • 開講辞:趙勇元組織秘書
  • 講義:李日換党秘書、崔在龍党秘書、申哲万(音訳)党中央委副部長、党中央幹部学校講座長3人、人民経済大学講座長が講義。中心論点は、①「党中央」を中心とする市・郡の結束強化(地方党組織の活性化、思想教育強化など)、②地域の特性・条件に即した市・郡の発展推進(地元原料資源に基づく消費物資生産など)、③市・郡党責任秘書の資質・執務姿勢の改善
  • その他活動:「編集物」視聴、成果・経験の共有

 同講習会は、23,24両日開催された党政治局拡大会議に参加(傍聴)した市・郡党責任秘書らを対象として、同会議終了の翌日から、それを引き継ぐ形で実施されたものであり、講義内容などからしても、まさに政治局拡大会議の延長戦といえよう。

 なお、講義を行った人物中、申哲万副部長は、韓国聯合通信の人名データベースに記録がなく、これまでの経歴などは判然としないが、あるいは、政治局拡大会議で「地方発展20×10政策」推進のため党中央組織指導部への設置が明らかにされた地方工業建設指導科を担当する副部長であるかもしれない。

 以上のような同講習会の開催は、「地方発展20×10政策」を党の主導で推進しようとの強い意向をうかがわせるものといえよう。