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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年2月6日 諸部門での「1月人民経済計画超過完遂」を報道(加筆版)

 

 2月3日付け「労働新聞」は、「新時代千里馬精神で力強く歩み出した2024年の初進軍歩幅 新年度重要高地占領のための1月人民経済計画超過完遂」と題する「朝鮮中通信社報道」(2日付け)を掲載した。

 同「報道」は、各経済部門の1月の増産取組状況などを紹介したもので、そのうち、数字を挙げるなどして1月の計画完遂を報じたのは、次の8項目である。

  • 圧延鋼材生産:130%
  • 窒素肥料生産:102%
  • 石炭生産:109%
  • 非鉄金属生産:105%
  • 丸木生産:106%
  • 貨物輸送:103%
  • セメント生産:105%
  • 織物生産:「計画を完遂」

 一方、電力生産、機械工業、住宅建設、農業、漁労などの部門については、増産に向けた奮闘ぶりなどを称賛しつつも、「計画完遂」との表現は用いていない。

 計画完遂と報じられた上記の8項目は、昨年の「人民経済発展12大高地」に含まれる(今年の12大高地が何になったのかは公表されていないが、おそらく同じなのであろう)。残り4項目のうち、穀物生産及び住宅建設は、1か月ごとの目標達成は論じられないものであり、結局のところ、目標未達に終わったのは、電力と水産物ということになる。

 1月を見る限り、そこそこの成果と言えよう。ただし、これは、「地方発展20×10政策」開始前の状況での取り組み結果である、今後、同政策に基づく取り組みが本格化した後に、既存の人民経済計画がどのような影響を受けるのか、注視の必要があろう。

以下加筆

 5日に放映の朝鮮中央テレビの報道番組では、1月の各部門人民経済計画遂行状況を報じる中で、前掲の数字に加え「電力生産計画101%」達成としている。これを見て、念のため前掲朝鮮中央通信報道を確認したが、電力生産に関して計画達成率を示す数値は記されていなかった。何故、電力生産についてのみこのような違いが生じるのかは定かでない。