rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年3月3日 2月の人民経済計画達成状況を報道

 

 本日の「労働新聞」は、「人民経済諸部門と単位において2月計画完遂、引き続き革新」との見出しを付して、標記状況を報じた。

 同記事が、部門全体として2月の人民経済計画完遂を報じているのは電力工業及び石炭工業であり、それぞれ、「(電力)2月人民経済計画を輝かしく完遂」、「(石炭)人民経済計画を間違いなく遂行」と記している。

 それ以外の部門については、部門全体については、それぞれ次のように曖昧な表現にとどめている(カッコ内は。主な傘下企業所についての記載)

  • 化学工業部門:「2月計画を成果裡に遂行した」(興南肥料連合企業所:「肥料供給計画遂行に尽力」、南興青年化学連合企業所:「生産計画を日別、週別、旬別に違えることなく遂行」、2・8ビナロン連合企業所:「諸指標の化学製品生産で成果を上げた」)
  • 採掘工業部門:「諸鉱山において・・2月人民経済計画を完遂」
  • 建材工業部門:「諸単位において2月人民経済計画を遂行」(祥元セメント連合企業所:「生産的高揚の火の手を強く燃え上がらせた」、順川セメント連合企業所:革新を創造」) 

 なお、同記事に言及がない金属工業部門に関しては、これとは別途に「主体化の威力を誇示し力強く前進 金策製鉄連合企業所において我々式の鉄生産技術を向上させ成果を不断に拡大している」との見出しを付した記事が掲載されている。ただし、同記事においても、金属工業部門全体についてはもちろん、金策製鉄連合企業所としての2月の人民経済計画の達成状況に関する直接の言及はない。

 こうした2月の人民経済計画達成状況に関する報道ぶりは、1月の主要生産品目の具体的計画達成比率(いずれも100%以上)を明示した2月3日付け報道(2月6日本ブログ参照)に比較すると非常に対照的なものといえる。もちろん、そうした具体的達成率公表が異例なのであって、今次記事はむしろ通例的なものであるし、2部門とは言え「計画完遂」を明示できたのは、「良い知らせ」と評価すべきかもしれない。

 とは言え、やはり、経済全体で見ると、異例の達成率公表をした1月の勢いは2月に入って既に陰りをみせていると言わざるを得ないであろう。「地方発展20×10政策」が具体的に始動する3月以降、それがどう推移するのか大いに注目される。