rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

1月4日 社説「党中央委員会第7期第5次全員会議思想を深く学習しよう」

 

 昨日の本ブログ記事の最後に全員会議精神の学習について触れたが、この社説は、まさにそれを主題にとりあげて、実施上の留意点を解説している。

 社説は、その学習においては、まず、「全員会議の基本思想、基本精神を深く体得することに最大の力を注がねばならない」と主張する。では、「全員会議の基本思想、基本精神」とは何かといえば、「情勢が良くなることを座って待つのではなく、正面突破戦を展開しなければならないということ」であり、「換言すると、米国と敵対勢力が我々が楽に生きるよう放っておくであろうとの夢を見るべきではなく、敵と平和に対する幻想、制裁緩和に対する未練を持つことはすなわち自滅の道」であると主張している。

 ここで言う「全員会議の基本思想、基本精神」は、まさに昨日の本ブログ冒頭で3日付け社説の構成上の特徴点として指摘した考え方であり、本社説もまた、様々な課題等に先立ち、まずこのような考え方を徹底すること、すなわち、「敵への幻想」を払拭することを最優先すべきことを訴えているのである。国内に根強く潜在する、そのような「幻想」との決別こそが、金正恩が今次会議を開催した最大の狙いであったとの見方を改めて裏付けるものといえるのではないだろうか。

 学習実施において次に行うべきとされているのが「幹部と党員と勤労者たちが自分の部門、自分の単位の前に提起されている政策的課題について正しく知ること」である。そこには、各部門、単位が抱える問題点なども含まれるであろう。自己の所属する部門及び組織の個別具体的な問題点、課題等が何であるかを知らしめることが求められているのである。したがってその学習過程においては、全員会議において「書面討論」参加者が求められたのと同様に、所属組織に関する深刻な批判・点検が求められることになると考えられる。

 その上で求められるのが、具体的な取り組み方針の策定である。すなわち、「(自己所属単位の)今年の戦闘目標を設計し、作戦し、それを成果裡に遂行するための実質的な方途を探す契機とする」ことである。換言すると、学習を「全員会議において提示された課題を執行するための具体的な計画と正しい方法を現実的に立て、実践的な対策を講究」することへとつなげてくことが主張されている。そこにつなげることによって、はじめて「学習」の意味が生まれると考えているのであろう。

 ちなみに、金正恩も、全員会議における結語の中で、会議決定の伝達(「接受討議事業」)において、それが「思想動員過程、作戦過程、任務分担過程となるよう」指示したとされる。学習にせよ、伝達にせよ、具体的な実践に結びつける作業が不可欠のものとされていることが改めてうかがわれる。