rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

1月5日 政論「信心も高く行くであろう」

 

 「正面突破戦」の号令を受けた人民のあるべき心情を論じたもの。要するに、指導部が住民に期待する、こう感じてくれたら、という理想を述べたものであろう。特段新味があるわけではないが、表現が余りに「感動的」なので、さわりだけだが紹介したい。

 なお、ここで表題にもある「信心」(신심)は、本来なら「信念」と訳すべきところであろうが、以下の表現からすると、漢字をそのまま訳した「信心」としたほうがふさわしいと思われるので、あえてこう訳したことをお断りしておく。

 「我々にあって経済建設に有利な対外環境が切実に必要であることは事実であるが、決して華麗な変身を望んで今まで命のように守ってきた尊厳を売ることはできない。我々は、国家の尊厳と利益を最後まで守護するであろうし、自力更生の威力で社会主義強国の勝利を必ずや成し遂げるであろう。我々が選んだこの道は、峻厳な試練と難関を同伴する艱苦で長久な闘争の道である。しかし、人民の士気は天を衝くほどであり、信心は高い。」

 「それは、まさに敬愛する最高司令官同志がいらっしゃれば、必ず勝利するとの絶対不変の信心である。試練と難関が決して不幸であるということではない。本当の不幸は、明日に対する信頼がないことである。闘争の道がいかに険難であるとしても、それが美しい理想と結びついているということを確信するとき、人民は強くなり、勇敢になる。」

 こういった表現が多用されればされるほど、「経済建設に有利な対外環境が切実に必要である」との声なき声が聞こえてくるように感じるのは、考え過ぎであろうか。