rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2月13日 最近の白頭山地区革命戦跡地踏査行軍活動

 

 標記に関し、1月25日の本ブログで紹介して以降の状況を整理しておきたい。

 まず、1月26日から2月1日まで全国農業勤労者同盟イルクンが踏査行軍を実施。踵を接するように同1日から7日まで朝鮮人民内務軍指揮メンバーによる踏査行軍が、更に、2月6日から10日まで全国革命事績イルクンの踏査行軍が実施された。いずれも、終了時には宣誓集会を開催している。

 このうち、全国革命事績講師は、7日白頭山頂において決意集会を開催、全国の勤労者に送るアピール文を採択した。同アピール文は、「白頭山地区革命戦跡地踏査行軍を通じた革命伝統教養の強い風を起こして下さった我が党の崇高な意図を奉じて、白頭の革命伝統でしっかりと武装し、白頭山精神で果敢な正面突破戦を力強く展開し勝利の進撃路を開くことについて強調した」ものとされる。

 そして、本日の「労働新聞」は、「白頭山精神で万難を撃破し、新たな勝利を成し遂げて行こう」と題する社説を掲げて同アピール文発出の意義を改めて訴えるとともに、「党の革命的路線を決死擁護、決死貫徹する今日のパルチザン闘士になろう 白頭山地区革命戦跡地講師たちが全国の勤労者に送ったアピール文に答えて」との共通タイトルの下、それに呼応する各地勤労者の投稿(決意を披歴したもの)をいくつか掲載している。

 同アピール文発出を契機としたこういった宣伝活動が更に継続・拡大していくのか、今日の紙面上だけの動きなのかは定かでないが、いずれにせよ、今後とも、「正面突破戦」と白頭山精神、そしてその体得のための同地区踏査行軍活動などが一体となって展開されていくものとみられる。

 ちなみに、上掲記事中、踏査行軍の主体としては「全国革命事績イルクン」と表記する一方、アピール文を採択した決意集会の主体は「全国革命事績講師」としている理由も定かでない。革命事績で働いている人(イルクン)の中に「講師」(説明員のようなものであろう)とそれ以外の人(施設保存関係とかか?)がいて、踏査行軍には両者が参加したが、決意集会を開催したのは前者だけということなのか、あるいは実際には両者は同じ意味で使われているのか、よくわからない(余り意味のない疑問かもしれないが)。

 なお、今日の「労働新聞」に上記共通タイトルの下で掲載された「白頭霊将の軍馬行軍路に従って信念の隊伍うねる」と題する記事は、金正恩白頭山騎馬行軍以降の同地区での踏査行軍参加者数を「5万余名」と報じている。1月25日掲載の記事では「12月中に9千余命」と報じていたので、今年に入って1か月余りで4万人以上が参加したことになる。1日平均千人ということだから、「うねる」と称するのも過大ではないかもしれない。

 ところで、この活動は、コロナウイルス感染症騒ぎの中でも続いていることになるが、大丈夫なのであろうか。