rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2月24日 評論「幹部と高い目標」

 

 昨日の2件の記事に続き、今日も幹部の執務姿勢に関する評論を取り上げたい。「目標」の設定とその実現について論じたものである。

 評論は、まず総論として、「目標を高く立て、大胆に推進すること、まさにこれが戦闘性と革命性を体質化した革命家の働きぶりである」と理想を提示した上で、具体的な在り方を詳述する。

 目標の設定においては、「党の思想と意図に敏感で、党の路線と政策によってしっかりと武装してこそ、高い目標を志向することができる」と主張し、党の意志を反映することの重要性を強調する。

 目標設定において、同時に要求されるのは、「客観的可能性を正しく打算し、動員的で現実的な目標を打ち出すこと」である。そのためには、変化する情勢への適応が求められるとして、「時代が前進し、現実が変化発展するにしたがって、絶え間なく新たな目標を志向しなければならず、徹頭徹尾、我が国の現実、自分の部門、自分の単位の実情に合わせて目標を現実的で実践可能なように立てなければならない」と主張する。

 したがって、非現実的な目標設定は厳しく戒められる。すなわち、「主観的欲望は絶対禁物である。主観的欲望に捕らわれれば現実と合わない荒唐な目標を打ち出すこととなり、このような現象は、大衆を喚起するのではなく、むしろブレーキ的な役割を果たすことがあるからである」と警告している。

 次に主張されるのは、目標推進の重要性である。「いったん目標を立てたら、・・・必ず豊満な結実をもたらさなければならない」のであり、「目標をいかに実現するかということは、今日、幹部の事業を評価する基準となる」と主張している。そして、そのような結果を出すための方法論としては、「決死貫徹の精神と自力更生の創造的気風」をあげ、それを発揮して「高い目標を実現していく」ことが「熱烈な愛国者になる」ことであるという。

 同時に、そのような実践を阻害する原因について、「一番有害なのは、安逸弛緩」した態度であると指摘し、それに陥っている者に対しては、「何かをしっかりとやりとげようとの欲望もなく、旧態依然として席を温めていれば、自ずと時代の落伍者に転落することになる」と戒めている。

 総じて、概ね従前の主張をなぞるものともいえるが、状況変化に適応した計画修正の必要性についての言及は異例にも思える。あわせて「主観的欲望」に基づく計画設定に対する批判にかなり重点が置かれているような印象がある。考えすぎかもしれないが、「国家経済発展5カ年戦略」を事実上取り下げたことと関連があるのではないだろうか。