rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

4月14日 「党中央委員会政治局会議精神を高く掲げ国家的な非常防疫対策をより厳格に!」

 

 本日の「労働新聞」は、標記の共通題目の下、6件の評論・記事を掲載した。タイトルだけ紹介すると、「緊張を緩めず、引き続き総力を集中しよう」「政治事業と衛生宣伝を実質的に」「防疫事業をより強度高く 各地工場、企業所において」「些細な伝播空間も逃さないように」「責任と役割を尽くしていく」(保健省局長の投稿記事)、「効果的な健康管理方法」である。

 これら一連の記事が11日の政治局会議においてコロナ対策等に関する党中央委・国務委員会・内閣の共同決定書が採択されたことを受け、防疫対策の徹底を改めて呼び掛けるものであることは、いうまでもない。

 しかし、12日の最高人民会議に関し、全国から参集した六百数十名の代議員がマスクも着けずに一堂に会した写真を掲載しておいて、一方で前掲記事のように防疫対策における「慢性的対応」などを戒めても、どれだけ効果があるのか。何かちぐはぐな印象を拭えない。しいて合理的に解釈すると、現時点で国内に感染者が存在する可能性は非常に低いが、今後国外からウイルスが流入し(あるいは国内のどこかに潜在していて)、それが国内で拡散される可能性を徹底的に遮断していくとの方針ということであろうか。

 いずれにせよ、北朝鮮国内では、現時点で一定の広がりを持つ感染・蔓延状況は存在しないと考えてよいのではないだろうか。