rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

4月16日 金日成生誕記念日関連行事

 

 標記に関連して、本日の「労働新聞」は、15日、党・政府・武力機関の高官が錦繍山太陽宮殿を表敬訪問したこと、全国各地の金日成金正日像に各機関・単位や勤労者・軍人・青年らが花輪などをささげたことなどを報じた。しかし、前者については、写真は付されているものの金正恩の姿はなく、後者については、恒例の写真が付されていない。推測であるが、少なくとも平壌金日成金正日像に対しては、主な機関・単位だけ花輪の捧呈などを行い、一般市民の表敬活動への参加は何らか制限されたのではないだろうか。また、その他の各種の記念公演・行事などについての報道もない。やはり、今年の慶祝行事は、例年に比較しかなり抑制されたのであろう。

 ちなみに、先の最高人民会議の開催報道においても、内閣事業報告及び予算関係報告について、普通だと前者は総理、後者は財政相が行うのが恒例と思われるが、報告者の名前が報じられていないし、その演説場面の写真なども付されていない。やはり、平素とは異なる特別の会議運営が行われたのではないだろうか。

 以上の「異例な対応」がコロナ対策のためであることは言うまでもなく、そのような意味で、北朝鮮でいま一種の「非常態勢」がとられていることは間違いない。

 ただし、そのこととコロナ感染症の蔓延を抑制・コントロールできているか否かということは別問題であり、全般的に言えば、それはできていると考える次第である。何はともあれ、全国から代議員を集めて最高人民会議を開催したことがその最大の証左といえよう。